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結論:本質的なダイエットにはならん

 本質的に「痩せる」ってのは、2週間後の体重だと思うとよい。数日のダイエットで本当に痩せるかどうかというと、その数日間の結果が後になってでてきて初めて「痩せた」といえる。
 だから、お悩み相談コーナーに「昨晩の夕飯だけで2kg太ってしまった」などという書き込みを見ると、
 「いやいや、それは体内での質量がちょいと増えただけで、太ったことにはならんのだよ」と・・
 なので最大3日のちょいとリスキーな「塩抜きダイエット」については、その3日分の消費カロリー、摂取カロリー、摂取糖質、摂取アルコールにより本質的には決まってしまう。
が、
* 3日後に健康診断があって、どうにか減量したい! とか
* 日頃、塩分の多い食事とりすぎで、結構むくみがひどくて とか
の場合は、お役立ちになるかも。

そもそも塩はどのように吸収されるか

塩=NaClね。中学理科の教科書みてね。
これ、料理にはすごく重要なもの(笑) その話は後で。
この中のNa+(イオン分解)は小腸で吸収されます。また、糖やアミノ酸とくっついて体内に吸収されていきます(糖分はNa+がないと吸収されない!?)
「だから、塩抜くと痩せるんだ」と思ったあなた「ブブー」です。
ブドウ糖180gについて23gのナトリウムが必要ですが、これを一般的な食事に置き換えると1日130gも摂取しなければならない。
 諸外国で6g上限、日本では「厚生労働省は日本人のナトリウム(食塩相当量)の目標量を男性8.0g/日未満、女性7.0g/日未満」となっている。
 ここで130gも摂取したら大変でしょ(^^;厚生労働省に怒られちゃいます。
 基本的にNa+は、膵液やら胆汁に入っていたり、胃粘膜、空腸液、細胞などそこかしこに存在していて、これらをうまく使いまわしていることになります。
 もちろん塩分を摂取した時は、とりあえずバンバン吸収されていきます。
参考:致死量
http://news.livedoor.com/article/detail/10091023/ より

■ 塩 大さじ16杯
■ 水 6リットル
塩も水も人体に必要なものですが、摂り過ぎは危険。前者は高ナトリウム血症、後者は低ナトリウム血症に陥り、まれに死亡するケースがあるそうです。アメリカでは、ラジオ番組中のコンテストで3時間に水6リットルを飲んだ女性が数時間後に亡くなった事例も。

じゃあどうしたらよいのか??

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○ 食塩など塩分を過剰摂取すると、血漿浸透圧が上昇。水分摂取量が増え高血圧になりやすい。
○ 腎臓が過剰に摂取した塩を体外に排出するのは数日かかる。
○ 体液の量はNa+総量で決定する。
なので「塩っけ」のあるものを過剰摂取しているとしたら、むくみや水分による体重増加はある。
ちなみに糖質も水分貯めこむからな。
では、とりあえずむくみをとって、数日以内にどうしても数Kg落としたければ(普段塩とりすぎ、糖分とりすぎ、インスタントラーメン大好きな方なら)
塩をひかえる。
糖質をひかえる。
健康診断当日は、診断が午前中なら水分摂取を控える(あ、控えすぎるとおしっこでなくて困るから、その分くらいは摂取してね)
ということになる。

塩分と食事

食選感受性のもともと強い人は別にして、おおよその健康体ならある程度の塩分摂取はよい。また、高血圧になった人が塩分を控えても血圧に影響がないひともかなりいる。
なので、料理屋としては
○ いきなり醤油かけないで、まずは、素材の味を楽しんでくれ。
  特に季節の野菜などは、塩分なしでもうまいぞ。それに、きちんとした出汁だとそれを味わってもらいたい。
○ その後は自由だ(笑)
 食味・・・調味料の好みは、その人の人生観に基づくので、最後までそのままで食えというのは、料理人の傲り(おごり)だと思う。
 肉体労働系の人で、当日炎天下で働いてから食事をとる人と、エアコンの効いたオフィスでちょっと寒いと重いながら働いた人。体が欲する塩分量が同じであっては逆にいけない。
○ 美味しい食事は濃いことが多い。
 これも覚えておくとよい。甘すぎる味付け、しょっぱすぎる味付けは「非日常の演出」にもなるので、濃い目の味付けをしている店舗も多い。刺激の強いほうがおいしく感じる性質を人間が持っているからだ。
 が、よく味わってみて濃ければ薄くしてもらうか、薄くなるように食べるかだ。」
そして塩抜きダイエット
ま、2日間くらいなら食味リセットの意味でよいかと思う。それでも塩分ゼロじゃなくてひとつまみ分くらいは摂取しておいて・・・。
ってか、ジャンクなもので塩っけ過剰摂取しないで、自分で調理する楽しさを味わってみてくらさい。